ついに第7期川の学校も今回で最終回。今回のキャンプは日本で一番大きい川の中にある無人島である善入寺島で行われた。7月のキャンプが中止になって急きょ追加された日程のため、水の冷たい11月でしかも1泊2日といつもより短くなってしまった。それでもカヌーツーリング、吉野川ウルトラクイズ、卒業式と内容は盛りだくさん。前日は最後という淋しさと、川ガキ達に早く会いたいという気持ちが入り混じり、なんとも複雑な気分であった。 1日目。集合時間の1時間ほど前から気の早い川ガキが集まり始めた。徳島駅からのバスが到着し、全員集合。5回目ともなればスタッフの手伝いなしでテント設営ができるようになっていて、うれしい限り。慣れた手つきで設営し、キッチン班の作ってくれた昼ごはんをたいらげる。そしてみんなバスに乗り込みカヌーツーリングへ出発。これまで4回の川の学校では全員で1つの遊びをすることはなかったが、最後のカヌーツーリングは全員参加。キャンプ地までの約8kmを3〜4時間かけてゆっくり、そして時には激しい瀬を勢いよく下っていく。この日は天気もよく、水温も高く絶好のカヌー日和。そして何よりも吉野川の水が本当にきれいだった。底の石一つ一つがくっきり見え、優雅に泳ぐ魚達も見ることができた。アレックスをカヌーに乗せたり、2人艇に乗りスタッフに漕いでもらったり、川の中を覗き込みひっくり返ってしまったりとみんなそれぞれにツーリングを楽しんでいた。途中何度か休憩し、ココアを飲みクッキーを食べたりしつつ、無事にキャンプ地まで下ってきた。全員が到着したあと、スタッフ、川ガキ全員で卒業記念品用の集合写真を撮った。 晩ごはんを食べしばらくして、最終回恒例「ワンワンの吉野川ウルトラクイズ」が始まった。まずは個人戦で十角テントを二つに区切っての2択クイズ。吉野川に関するクイズが出題され勝ち残った川ガキにはウルトラクイズ優勝と刻印の入った十徳ナイフが手渡された。続いて班別の団体戦。スタッフと講師も数チームに分かれ参加した。こちらも吉野川に関する少しレベルの高い問題が出題された。スタッフに有利な問題も多かったと思うが、みごと川ガキチームが優勝し、スタッフが持ち寄った豪華賞品を持ち帰った。 ウルトラクイズの後は野田校長とリンさんによる夜話があった。リンさんはこれまでやってきた小話のオチを解説し川ガキ達も笑いどころがやっとわかったみたいでこれからが楽しみだ。その後は、1日しかない夜をそれぞれ思い思いに楽しんでいた。肝試しにに行ったり、ギターでセッションしたり、クレープを焼いたり、たこ焼きを焼いたり、朝5時までナポレオンをしたりとこれまでほとんど夜更かしをしてこなかったが、今回ばかりはとみんな夜遅くまで起きていた。 2日目。いつものように自由に遊べるのはこの日の午前中だけ。寒かったけど、最後だからと10人ほどが川へ遊びに行っていた。対岸から釣りをしながら眺めるだけだったが、寒さに関係なく川に飛び込んでいく川ガキ達の周りだけは、まだ夏の記憶を残しているようであった。釣りのほうも無事全員釣ることができ、成長を感じることができた。 そして、いよいよ卒業式。普段は4km以内に近づくことを禁止されているご両親も参加し、卒業式が始まった。講師の方々のお話のあとは卒業記念品が渡された。スタッフがアイデアを出し合い、深夜遅くまでかかって作り上げた世界に1つの川ガキ認定証。それを受け取ったら川ガキ一人一人の感想。スタッフが思っている以上に川ガキは川の学校を通じていろいろなことを感じ、遊びを覚え成長したんだなと伝わってきた。スタッフも感想を言って、最後に野田校長の言葉。「君たちはもう立派な川ガキです。これからは自分たちだけで川に行って遊ぶことができます。家族や友達とぜひ川に行って遊んでください。」今年も30人の川ガキを無事に送り出すことができた。今後それぞれがどのように川にかかわっていくかが楽しみだ。また来年吉野川で会うことを約束し、最後に「ふるさと」を歌って解散した。